科学が証明した「手当て」の力。産後ママの膝を救うのは、機械よりも“人の手”でした

ご出産おめでとうございます!
赤ちゃんの誕生は本当に幸せなことですが、それと同時にママの身体には大きな変化が訪れます。

「赤ちゃんを抱き上げるたびに膝がズキッとする」
「立ち上がるときに膝が痛くて力が入らない」

そんなお悩みをお持ちではありませんか?
実は産後の膝の痛みは多くの女性が経験する一般的な悩みの一つです。慣れない育児やホルモンバランスの変化、妊娠中の体重増加などが重なり、膝への負担が大きくなっているのです。

今回は、2024年に発表された60名の産後ママを対象とした最近の研究論文をもとに、そんな産後の膝の痛みに「どのようなケアが効果的か」について、専門的な視点からわかりやすくお伝えします。

この研究でわかった3つの重要なポイント

今回ご紹介するのは、産後の膝の痛みに対する治療法を比較した研究です。60名の女性を対象に、「手を使った治療(手技療法)」と「機械を使った治療(電気治療など)」のどちらがより効果的かを、8週間(週5回)にわたってじっくり調査しました。

研究の結果、以下のことが数値として明らかになりました。

1. 産後の膝の痛みは「ケア」で改善する可能性が高い

この研究では治療を受けたすべてのグループで、痛みの軽減や日常生活の動作(歩く、階段を上るなど)の改善が見られました。つまり、産後だからと諦めず、適切な期間ケアを行えば痛みは和らぐということです。

2. どちらの治療法も効果がある

研究では、「手技療法(マッサージやストレッチなど)」を受けたグループと、「物理療法(電気刺激や超音波など)」を受けたグループ、どちらも膝の状態が良くなりました。どちらのアプローチも決して間違いではありません。

3. 「人の手によるケア」がより高い効果を示した

ここが一番のポイントです。両方のグループが改善しましたが、比較すると「手技療法」を受けたグループの方が、より大きな改善が見られました。 具体的には、痛みのなさを示すスコア(100点満点)において、手技療法グループは平均で「96点」う、ほぼ満点に近い回復結果を出しました(機械療法は93点)。筋肉をほぐしたり、ストレッチを組み合わせたりする手によるケアが、産後の膝には特に相性が良いようです。

つまり、どういうこと?

この研究結果は、私たち整体院での施術や患者さんの選択にどう関係するのでしょうか?

  • 産後の膝痛に対しての「手当て」の力は科学的にも支持されています 機械による治療も効果的ですが、施術者の手によって筋肉の緊張を和らげたり(ニーディング)、関節の動きを調整したりすることは、産後のデリケートな身体にとって非常に有効であり、96点レベルまで回復する可能性が示されました。
  • ストレッチや運動も大切です 今回、高い効果が出た「手技療法」のグループでは、1回15分程度のマッサージに加え、ストレッチや筋力強化の運動も組み合わせて行われました。受け身のケアだけでなく、適度な運動を取り入れることが回復への近道と言えそうです。
  • 「産後だから仕方ない」と諦める必要はありません ホルモンの影響や体重の変化があっても、適切なアプローチを行うことで、「痛みが減った」「動きやすくなった」という結果が数字で出ています。

まとめ:まずはご相談ください

産後の身体は、交通事故に遭ったのと同じくらいダメージを受けているとも言われます。育児に追われて自分のことは後回しになりがちですが、膝の痛みは我慢すればするほど、子育てにも影響を及ぼし生活の質を下げてしまいます。

今回の研究は、専門家による「手による丁寧なケア」が、産後のママたちの膝の痛みを和らげる強力なサポーターになることを教えてくれています。

もし膝の違和感でお悩みなら、ぜひ一度、お近くの専門家にご相談ください。


参考文献: Sharma M, Chauhan N, Kumari M, Verma P, Pradhan DK. Effectiveness of Manual Soft Tissue Mobilization vs Mechanical Therapy on Postpartum Knee Joint Pain and Function: A Randomized Trial. J Clin Biomed Sci 2024; 14(4): 143-147. DOI: 10.58739/jcbs/v14i4.128

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